Q1不動産問題はお任せください

不動産は重要な資産であり、また生活の基盤です。オーナー・居住者・管理組合など、それぞれの立場から利害が対立する場面があり、法的紛争に発展する場合もあります。
不動産のトラブルは、迅速な対応を要するもの、長期的な対応が必要なものなど様々ですが、当事務所では、それぞれの問題に早急に対応し、適切に解決をさせていただきます。
現在問題を抱えている方、将来の問題を回避したい方など、不動産のことでお悩みがございましたら当事務所へご相談ください。

取扱業務

賃貸借関係 ・共有不動産の問題 ・家事事件に伴う不動産の問題 ・その他(不動産売買/強制執行、保全関係/登記の問題) など

この様なお悩みはございませんか?

賃貸している建物の賃料の支払いをしてもらえない。

賃貸している建物を立て替えたいので、立ち退きしてほしい。

長年、借地にしているが、有効活用したいので契約を終了したい。

共有の不動産を売りたい、共有関係を解消したい。

借地権付建物を売却したいのだが、地主が譲渡を許可してくれない。

勝訴判決があるが相手が支払いをしない、不動産を競売したい。

*必要に応じて税理士・司法書士・不動産業者などと協力して業務を行っています。

Q2借地・借家の明け渡し

「賃料を払ってもらえない」、「もう出て行ってほしい、契約を終了にしたい」という相談はよくあります。借地は長期間の関係になりますが、先代・先々代からの関係ですと、これまでの経緯等が不明であったり、書面が残されていなかったり、さらに相続問題が絡む等して解決に時間がかかる場合もあります。

  1. 借地、借家の明渡請求は、合意解約、解除、更新拒絶、解約申入れによって、賃貸借契約が終了した場合に可能になります。
    契約に賃料・地代の不払いの債務不履行があれば、一定の要件・手続の下、解除(民法514条)による契約の終了で、明渡しを求めることができます。
    さらに、無断譲渡・無断転貸の場合も解除ができます(民法612条)。
    もっとも、この解除権行使を抑制する方向での「信頼関係破壊の理論」という考え方がありますが、集積された裁判例の事案と比較・参考にしながら、解除の要件が満たされるか否かを検討していく必要があります。
  2. 平成4年8月以降に締結された賃貸借契約の場合、借地借家法の適用があり、この場合、期間満了による更新拒絶(異議を述べる)をするには、借地の場合ですと、下記の「正当事由」(借地借家法6条)が必要になります。(なお、借家の場合の更新拒絶・解約申し入れは借地借家法28条。)

    「借地権設定者及び借地権者 (転借地権者を含む。以下この条において同じ。) が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、」 と規定されています。地主側、借地人側で、個々の要素を比較考量し、補完要素としての立退料の金額等で調整して「正当事由」の有無の判断をします。この点についても、裁判例の集積がありますので、類似の事案を参考にしながら「正当事由」があるか否か、立退料はどの程度か等を検討しておく必要があります。
  3. 借家の明渡しは、交渉によって解決するケースが多いですが、借地は、交渉?調停、あるいは裁判と進むケースも多くあります。
    いずれにしても、事前に段取りを検討し、早期に実行していく必要があります。
    借地・借家の契約終了・明渡し請求については、多くの経験をしておりますので、是非当事務所にご相談ください。

Q3借地非訟事件

増改築したいが地主が承諾してくれなかったり、借地上建物を売却したいが地主が承諾してくれない等、交渉で解決しない場合には、裁判官を介した協議をする手続があります。
この借地非訟事件の裁判は、「決定」という形式で行われます。 いずれも裁判所が相当と認めれば、借地契約の借地条件を変更する裁判(決定)、地主の承諾に代わる許可の裁判(決定)を受けることができます。もっとも 当事者に和解を勧めることも多いので、必ずしも決定という裁判官の判断で終了するものでもありません。

1借地非訟事件として取り扱うことができる事件は次の6類型です。

  1. 借地条件変更申立事件(借地借家法17条1項)
    例えば、「借地上の建物は、非堅固建物に限る」という借地条件がある場合、「木造建物」(非堅固建物)を「ビル」などの鉄筋コンクリート造の建物(堅固建物)に建て替えたいが、地主との間で合意が整わない場合、借地権者は、借地条件変更の申立てをすることができます。
  2. 増改築許可申立事件(借地借家法17条2項)
    契約上、借地上建物の改築・増築・大修繕等をする場合は地主の承諾が必要とされていますが、その承諾を得られない場合、借地権者は、増改築許可の申立てをすることができます。
  3. 更新後の建物再築許可申立事件(借地借家法18条1項)(平成4年8月1日以降に設定された借地権についてのみ適用)
    借地契約の更新後に、借地権者がやむを得ない事情で残存期間を超えて存続すべき建物を築造するときは、地主の承諾が必要ですが(借地借家法8条1項、2項)、その承諾を得られない時、借地権者は、更新後の建物再築許可の申立てをすることができます。
  4. 土地の賃借権譲渡又は転貸の許可申立事件(借地借家法19条1項)
    借地契約が土地の賃貸借契約の場合、借地権者が借地上の建物を譲渡するときは、地主の承諾が必要になりますが(民法612条)、その承諾を得られない場合、借地権者は、土地の賃借権譲渡許可の申立てをすることができます。
  5. 競売又は公売に伴う土地賃借権譲受許可申立事件(借地借家法20条1項)
    借地契約が土地賃貸借契約の場合、競売又は公売で借地上の建物を買い受けた人は、土地の賃借権の譲受けについて地主の承諾が必要になりますが(民法612条)、その承諾を得られない場合、借地上の建物の買受人は、競売又は公売に伴う土地賃借権譲受許可の申立てをすることができます。
  6. 借地権設定者の建物及び土地賃借権譲受申立事件(借地借家法19条3項、20条2項)
    上記の④及び⑤の場合、地主側には、 自らの土地の賃借権を借地上建物と一緒に優先的に買い取ることができる権利(介入権)が与えられています。地主は、裁判所が定めた期間内に限り、介入権行使の申立てをすることができ、その期間内の介入権行使の申立てがあると、原則として、地主が借地権者の建物及び土地の賃借権を裁判所が定めた価格で買い受けることになります。

2鑑定委員会制度

以上の6類型ですが、申立てを認めるかどうか、承諾料の金額や介入権行使の場合の建物及び土地賃借権の適正な対価等について、専門的かつ客観的な意見を聴くための鑑定委員会制度があります。そして、裁判官が決定をする場合には、鑑定委員会の意見・それに対する当事者双方の意見を聴取する必要があります。

3有効な資産活用のために

借地・借家は、オーナーにとっては重要な資産であり、固定資産税の負担の下、有効に資産活用したいところです。一方、借地人・借家人にとっては、まさに生活の本拠となっていますので、退去する、明け渡して他を探すというのも一苦労です。
種々の点から検討し、段取りを決めて行動に移す必要があります。是非、ご相談ください。

Q4共有問題

共有は、 1個の物を複数人で共同所有する形態の一つであり、相互に所有権を制限し合っている状態です。

1制限し合うとはどういうことでしょうか。

  1. 各共有者は共有物全部について、 持分に応じた使用をすることができます (民法第249条)ので、共有物を単独で占有する他の共有者に対して、当然にその明渡しを請求することはできません。
  2. 共有物の保存行為は、 各共有者が単独ですることができます (民法第252条但書)。
    例えば、共有物について必要な修理をする、共有物を不法に占有している者に対する共有物の返還請求等も単独ですることができます。
    共有物の管理に関する事項は、 共有者がその持分価格に従いその過半数で決定することができます (民法第252条本文)。 例えば、共有物を目的とする賃貸借契約の解除や賃貸借契約の締結は、これに当たるとされています。
    共有物の変更は、 共有者全員の同意を必要とします (民法第251条)。 例えば、田畑を宅地に変更する等共有物を物理的に変形させる行為であり、勝手に変更しようとした場合、他の共有者は妨害排除請求権を行使して、工事の差止めを求めることもできます。
    そして、共有物の変更には処分も含まれます。共有物を売却する場合にも、共有者全員の同意が必要となります。
  3. 以上のように、共有者の1人が共有物全体を売却したり、 物理的に変更するには共有者全員の同意が必要ですし、第三者に貸す等の場合には、持分の価格に従いその過半数の同意が必要となります。
    そうすると、各共有者は、所有者でありながら、自由な処分や利用に制約を受け、有効活用ができませんし、むしろ固定資産税の負担が続きます。 ここに、共有物を分割する必要が出てきます。

2共有物の分割の方法・分割の手続き

  1. 分割の方法は、いくつかあります。
    現物分割は、 共有物を物理的にそのまま分割する方法をいいます。例えば、土地の場合、分割後にはそれぞれが独立した1筆となり、共有関係が解消されます。この現物分割を基本とし、 その過不足を価格賠償により調整する分割方法を価額賠償による分割といいます。
    また、換価分割は、 共有物を売却し、各共有者の持分に応じて売却代金を分ける方法です。さらに、全面的価額賠償による分割は、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に持分の価格を賠償させる方法です。
    これは裁判上で考えられた方法であり、「共有物の性質及び形状、共有関係の発生原因、共有者の数及び持分の割合、共有物の利用状況及び分割された場合の経済的価値、分割方法についての共有者の希望及びその合理性の有無等の事情を総合的に考慮し、当該共有物を共有者のうち特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情が存するとき」(最判平8.10.31)に可能とされています。
  2. 分割の手続き
    分割の手続きは、まず、協議です。 共有者全員による共有物分割の協議の場合には、 分割の方法には制限がないので柔軟な分割方法が可能となります。また、協議ではありますが、裁判所で行う民事調停という方法で共有物分割を求めていくことも可能です。

    分割について共有者間の協議が調わない場合には、 共有物分割の訴訟を裁判所に提起することができます。共有物分割の訴えです。裁判所は共有物分割の訴えがあれば、 必ず一定の分割を命じる判決をしますので、 共有者は裁判を利用することにより必ず共有関係から離脱できます。

共有者に相続が発生したときには、さらに多数の相続人が発生します。共有者が多数となり、処理関係・協議も複雑・煩雑になります。ここに、早期に共有関係を解消する必要性が出てきます。

Q5不動産(オーバーローン)の財産分与について

夫婦財産の中に、オーバーローンとなっている自宅不動産がある場合の問題です。
離婚の際の財産分与の割合は、5:5というのが原則です。そして、清算的な意味での財産分与は、夫婦の協力関係が解消する時点、通常は別居時点でしょうか、そこを基準に判断していくことになります。それでは、別居時点で、不動産の査定価格よりローン残高が多い場合、どのような解決をしていくのでしょうか。

以下のような解決方法があります。

  1. オーバーローン物件があるものの、預貯金等他の夫婦財産を合わせるとプラスになる場合には、例えば、不動産の価値が25000万円、預貯金5000万円、住宅ローンが3500万円ある場合です。
    シンプルな解決が可能です。
    夫婦が形成した財産総額は、4000万となりますので、自宅を出て行く相手方に2000万円を分与し、一方は、預貯金3000万円と不動産を取得し、残ローン3500万を支払っていきます。
    もっとも、債務者を変更したい場合、連帯債務から外れたい場合等は、債権者である金融機関との協議が必要になります。
  2. 夫婦財産としては、全体でマイナスとなってしまう場合には、財産分与はありません。
    不動産の名義人に変更なく、ローンの債務者もそのままとします。清算的財産分与は何もありませんが、扶養的な意味での財産分与を合意するケースは考えられます。
  3. 夫婦の一方が離婚後もローンを支払い続け、他方が子供を養育しながら自宅に住み続ける場合、ローンの支払を養育費の一部として考える方法もあり得ます。この場合、ローンの支払いが滞るリスクに気を付けておく必要があります。

以上の問題は、債権者(金融機関)との協議が必要になる場合があり、保証人を新たに見つけ変更してもらう、また、曖昧な取り決めをすると離婚後、予想外の出来事が生じてしまう危険もあります。離婚の際に、よく検討をしておく必要があります。

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